フレームは、車で言えば骨格そのもの。フレームの歪みはすべてに狂いを生じさせます。使用されている金属も、軽量化と強度を同時に実現しながらも、安全性能をしっかり担保するなど実に考え抜かれたものであり、この変形したフレームがどのくらい元の基準値に引っぱり出せるのか、ここに旭自動車の価値があると考えています。きっちり元の位置に戻せたとしても、その工程で別の箇所が歪んだりしないかをコントロールするには熟練の技が必要とされ、クルマの構造の理解や材質、素材、事故の力の入力方向を作業者が理解しているのかが、最も試されるといえるでしょう。
さらに近年では、自動車にはさまざまな先進技術が搭載されるようになりました。フレームの精度は、これらの技術にとって必要不可欠なものです。先の時代ではITやプログラミングといった、これまでクルマの整備とはすこし異なる分野とされてきた技術の知見があるかないかも求められていくと考えています。さあ、つまりは可能性だらけ。フレーム修正の技術の向こう側には、新しい時代の新しい技術の匂いが濃くなってきています。